2011.05.02.お知らせ

【研究会のご案内】

自己免疫性肝疾患を中心にした病理と臨床の肝疾患研究会
第43回川崎リバーカンファレンス
Final Announcement

日: 平成23年5月28日(土)
時: 午後 2:30〜6:30
所:シェラトン都ホテル東京 地下2階 醍醐東
〒108-8640 東京都港区白金台1-1-50
TEL 03-3447-3111

主催:MSD株式会社

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■御案内■


第43回川崎リバーカンファレンスの御案内をさせていただきます.
今回の病理医、司会医ともにフルメンバーで登場する予定です。
今回の症例は宿題報告2例、積み残し症例1例と新規症例13例の予定です。
多数の皆様のご参加をお待ちしております。

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T 症例検討
PM2:30〜6:30

お預かりした肝組織標本を返却いたしますので受付でお受け取りください.
発表はPCプロジェクター(Windows対応)です.
CDかUSB対応フラッシュディスクに入れてお持ちください.

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病理解説

大船中央病院 病理診断科 部長                中野雅行先生
順天堂大学医学部練馬病院 病理診断科 教授       松本俊治先生
海老名総合病院 病理診断科 部長              松本光司先生

総合司会(座長)

柴田内科・消化器科クリニック 院長            柴田 実先生
東京慈恵会医科大学 内科教授             銭谷幹男先生
国際医療福祉大学 内科教授              森實敏夫先生
自衛隊中央病院内科 内科部長             箱崎幸也先生

コメンテーター

せんぽ東京高輪病院 名誉院長 / 東京慈恵会医科大学 客員教授 戸田剛太郎先生

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宿題報告

症例1 38歳男性
施設 手稲渓仁会病院(演者:志田勇人先生、姜 貞憲先生)
診断 アルコール性肝障害 or 自己免疫性肝炎?
問題点 2009/1急性肝障害で入院(T-Bil 8.8, AST 1328, ALT 1274)。ANA 160倍でしたが、ウコン、青汁のDLST陽性で薬剤性肝障害疑い、サプリメントを中止したら肝障害は改善。この時の経過は第41回川崎リバーカンファレンス症例1で検討し松本俊治先生の病理診断は急性薬剤性肝障害でした。その後サプリメントはやめましたが、飲酒量が増え2011/1急性肝障害で再度入院(T-Bil 12, AST 1437, ALT 1685)しました。アルコールにしては禁酒後50日後の発症、γ-GTP 211とたいして上昇しておりません。IgG 820と正常、ANA, ASMAともに陰性です、本例の肝障害の原因は何でしょうか?
病理組織 2011/1/24 Lobular-hepatitis(第一にアルコール性を疑う)
担当病理医 松本俊治
司会 柴田 実(前回担当者)

 

症例2 77歳女性
施設 新潟県立中央病院(演者:津端俊介先生、吉川成一先生)
診断 C型慢性肝炎+自己免疫性肝炎 overlap
問題点 PSL漸減中止し、2010/7からIFN治療を行いHCV RNA陰性化しました。治療前、PSL投与後、HCV RNAが陰性化後の3ポイントで肝生検が行われました。PSL, IFNという2つの治療により病態はどのよう変化したのでしょうか。もともとはAIHだったのでしょうか、CHCだったのでしょうか。
病理組織 @2009年、A2010年、B2001年4月6日
担当病理医 松本俊治
司会 箱崎幸也(前回担当者)

 

積み残し症例

症例3 48歳男性
施設 自衛隊中央病院(演者:宮地隆史先生)
診断 フェリチン高値の薬剤性肝障害
問題点 全身倦怠感で近医よりクラビット、ロキソニンなど投与され、2日後の血液検査でAST 4820, ALT 4110, ferritin 19932と著明高値を示しました。臨床的には薬剤性肝障害を疑っていますが、成人発症Still病の肝障害の可能性はいかがでしょうか。薬剤性でferritinはどの程度上昇するかご経験ある先生は教えてください。
病理組織 薬剤性肝障害に矛盾しない。
担当病理医 松本俊治
司会 銭谷幹男

 

症例4 68歳男性
施設 浜松医科大学病院(演者:則武秀尚先生,川村欣也先生)
診断 C型慢性肝炎(SG2)、自己免疫性肝炎
問題点 平成5年インターフェロン療法を行うがCRに至らず。今回インターフェロン再治療のため精査したところ抗核抗体(ANA) 2560倍、IgG 2679、AMA 20倍と免疫異常が認められました。どの程度AIHが加重されているのでしょうか、治療はどうしたらいいのでしょうか。
病理組織 2009/9/10 CH(F2/A2)
担当病理医 中野雅行
司会 森實敏夫

 

症例5 18歳男性
施設 手稲渓仁会病院(演者:金 俊文先生、姜 貞憲先生)
診断 原発性胆汁性肝硬変
問題点 腹痛で近医受診したところ胆道系酵素優位の肝障害を指摘(AST 174, ALT 341, ALP 941, γ-GTP 477)。ANA 1280倍ですが、AMA, M2陰性、免疫グロブリン正常です。組織でPBC疑いと診断されましたが何でしょうか。また腹痛の原因と肝障害の関係はどう説明すればいいのでしょうか。
病理組織 2011/2/9 PBC疑い(portal hepatitis、CNSDC様胆管障害像)
担当病理医 松本光司
司会 柴田 実

 

症例6 65歳女性
施設 株式会社日立製作所 日立総合病院(演者:石川晶久先生)
診断 PBC-AIH overlap症候群疑い
問題点 1996年胆道系酵素優位の肝障害、AMA 320倍陽性、肝生検所見よりPBCと診断しウルソ600mg/日投与開始。2010/9全身倦怠感、トランスアミナーゼの増悪(T-Bil 1.6, AST 630, ALT 710, ALP 460, γ-GTP 112)を認めました。IgG, ANA, ASMAは陰性です。肝実質障害の原因は、薬剤?PBC?overlap?などが想定されます。何がおきたのでしょうか。治療は?
病理組織 1996/3 stageII PBC, 2010/10 submassive hepatic necrosis of the liver in PBC
担当病理医 中野雅行(すでに郵送済みとのこと)
司会 箱崎幸也

 

症例7 42歳男性
施設 県西部浜松医療センター(演者:太田和義先生、影山富士人先生、本城裕美子先生)
診断 原発性胆汁性肝硬変
問題点 軽度黄疸(TB 2.7)を伴う肝胆道系酵素高値、IgM高値, M2陽性(115)よりPBCと診断、UDCA、ベザトール併用療法を徐々に強化しましたが肝機能は正常化しておりません。治療前と治療2年後の肝生検組織を比較し、病勢の進行、治療効果の評価をお願いします。2回目の肝生検後に瀉血療法を行っているようですが、瀉血の適応についてもご意見をいただきたいと思います。
病理組織 2009/1/26, 2011/1/24
担当病理医 松本光司
司会 銭谷幹男

 

症例8 43歳女性
施設 NTT西日本大阪病院(演者:佐々木一之先生)
診断 ANA, AMA陽性のIgG4関連硬化性胆管炎?
問題点 2002年急性肝炎。2006年より肝障害が持続しております。高い時はAST 453, ALT 287, ALP 1508, γ-GTP 409, IgG 2542, IgM 684, ANA 640倍, AMA 640倍, IgG4 790と強陽性でした。HLA DR4は陰性でした。本例はAIH PBC overlapでしょうか、IgG4関連硬化性胆管炎でしょうか? 皆様の見解は?
病理組織 2008.9.11 AIH + PBC
担当病理医 中野雅行
司会 森實敏夫

 

症例9 47歳女性
施設 大阪鉄道病院(演者:森 敬弘先生)
診断 自己免疫性肝炎
問題点 2008年AST 299, ALT 317, ALP 548, γ-GTP 201, IgG 3881, IgM 464, ANA 320と肝障害で紹介。プレドニゾロン投与し肝機能正常化しましたanti-M2が当初弱陽性(9)でしたが経過中漸増してきています。PBC合併の可能性を考えるべきでしょうか。M2の評価はどうしたらいいのでしょうか。
病理組織 2008.4.3 autoimmune hepatitis
担当病理医 松本光司
司会 柴田 実

 

症例10 51歳女性
施設 自衛隊中央病院(演者:青野茂昭先生)
診断 原発性硬化性胆管炎、IgG4関連胆管炎?ANCA関連胆管炎?+潰瘍性大腸炎、好酸急増多
問題点 平成19年うつ病で服薬中に黄疸を発症し広島記念病院入院。病状悪化のため同年自衛隊病院に転院。プレドニゾロンで一旦は肝障害改善したが、PSL中断3ヶ月後にALT 770となり平成20年5月肝生検を実施。この時はANA(-), AMA(-)。PSL投与せず改善。サプリメントのせいと考えた。平成23年抗精神病薬を変更したらALT 505と上昇。同年2月にANAが1280倍と陽性化し肝生検を実施しPSL治療を再開した。ANA陽転化は薬剤による自己免疫反応の誘発でしょうか?
病理組織 平成23年2月15日。薬物による自己免疫反応あるいはPSC, PBC
担当病理医 松本俊治
司会 箱崎幸也

 

症例11 23歳男性
施設 東京逓信病院(演者:高桑康太先生、橋本直明先生)
診断 自己免疫性肝炎
問題点 2010/8熱中症疑いで搬送時に肝障害と胆道系酵素高値(ALP 1145)と好酸球増多(46%)を指摘。2011年、東京逓信病院へ紹介され肝生検を実施。ウルソは有効。トランスアミナーゼの上昇(AST 263, ALT 187), IgG 2061, ANA 40倍養成(Sp.)も認めました。逓信病院の検査でp-ANCA陽性、c-ANCA陽性、IgG4高値730 (基準値48-105)、MRCPで肝内胆管に数珠状拡張、大腸内視鏡で病理学的にcrypt abscessを伴う腸炎を認めました。本例の診断は?重症度は?今後の経過の予測は?治療法は何でしょうか。
病理組織 2011/4/1 CAH(A1, F1)
担当病理医 中野雅行
司会 銭谷幹男

 

症例12 67歳女性
施設 新潟県立中央病院(演者:吉川成一先生)
診断 A型急性肝炎、自己免疫性肝炎
問題点 2010/6黄疸で入院(TB 14, AST 691, ALT 751)。IgM-HA抗体弱陽性だが陽性よりAH-Aと診断(第1回肝生検)。肝障害は2010/11に再燃(AST 236, ALT 286)し同時にIgG上昇(1499→2199)あり、ANA 640倍と認めました。AIHと診断し第2回肝生検を実施しPSL治療を開始しました。A型肝炎はあったのでしょうか、A型肝炎がAIHを誘発したのでしょうか、初めからAIHのみだったのでしょうか、IgM-HA抗体の偽陰性はあるのでしょうか。病理で多核巨細胞が多発していますがその解釈は何でしょう。
病理組織 @2010/6/14、A2010/10/20
担当病理医 松本光司
司会 森實敏夫

 

症例13 33歳女性
施設 手稲渓仁会病院(演者:志田勇人先生、姜 貞憲先生)
診断 自己免疫性肝炎疑い
問題点 39度の発熱、消化器症状、急性肝障害で発症。AST 5573, ALT 5070と高値です。薬剤、ウイルス肝炎はA〜Eまで否定的。IgG 1061と正常、ANA 80倍、ASMA陰性。肝障害の原因は何でしょうか?
病理組織 2011/1/25 Liver with acute on chronic inflammation,unknown etiology
担当病理医 松本俊治
司会 柴田 実

 

症例14 70歳男性
施設 手稲渓仁会病院(演者:金 俊文先生、姜 貞憲先生)
診断 自己免疫性肝炎
問題点 2007年から原因不明の肝障害(MAXでAST 231, ALT 127, ALP 1398, γ-GTP 180)が持続。骨粗鬆症で服薬あり。ANA陰性ですが、抗平滑筋抗体(ASMA) 160倍陽性、IgG 2970です。高齢者男性のANA陰性AIHでしょうか。病理学的にAIHに合致するでしょうか。ALP高値の説明は?
病理組織 2010/5/21 chronic hepatitis
担当病理医 中野雅行
司会 箱崎幸也

 

症例15 68歳女性
施設 手稲渓仁会病院(演者:金 俊文先生、姜 貞憲先生)
診断 自己免疫性肝炎? M2陽性
問題点 気管支喘息で通院中の患者に肝障害がみつかりました(AST 93, ALT 138, ALP 340)。ANA 320倍陽性ですが、IgG 1221, IgM 220と正常です。AMA 20, M2 13.8と抗ミトコンドリア抗体の弱陽性も伴っています。臨床的、病理学的にどのような診断、治療がふさわしいでしょうか。
病理組織 2011/1/6 Lobular hepatitis
担当病理医 松本光司
司会 銭谷幹男

 

症例16 61歳男性
施設 香川県立中央病院(演者:高口浩一先生)
診断 自己免疫性肝炎
問題点 1年前から肝機能異常があり精査のため紹介されました。ANA 2560×、M2抗体 28.1と陽性でした。AST 109, ALT 126, ALP 514, γ-GTP 324と肝胆道系酵素の上昇を認めます。肝生検はAIHでしたが、PBC的要素はないのでしょうか? IgG 2665高いですが、IgM 200正常でした。
病理組織 2011/4/22 自己免疫性肝炎
担当病理医 松本光司
司会 森實敏夫

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連絡先

〒163-1023 新宿区西新宿6-12-1 パークウエスト7F
MSD株式会社 第三学術営業グループ 東京第五営業所
後藤田剛史、中村智博 п@0120-024-961

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なお、先生ご自身の交通費を弊社にて実費負担させていただく場合がございます。
その際は弊社より、ご施設等のルールに則り個別にご相談させて頂きますので、よろしくお願い致します。

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会場アクセス

シェラトン都ホテル東京 
地下2階 醍醐東

〒108-8640 東京都港区白金台1-1-50
TEL 03-3447-3111

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多数の皆様のご参加をお待ちしております.


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